肝胆膵
肝胆膵とは、肝臓・胆のう・胆管・膵臓という、消化や代謝に深く関わる臓器の総称です。これらの臓器は沈黙の臓器とも呼ばれ、初期には自覚症状が現れにくいため、健康診断の血液検査や腹部超音波検査などで異常を指摘されて初めて気づくことも少なくありません。当院では、日本肝臓学会専門医および日本消化器病学会指導医の資格を持つ医師が、専門的な視点から丁寧な診察と的確な診療を行っています。
肝胆膵領域とは?肝臓・胆のう・膵臓の役割
肝臓・胆のう・膵臓は、いずれも食べたものの消化や栄養の吸収、全身のエネルギー代謝を支える重要な臓器です。それぞれが密接に連携しながら機能しています。
肝臓は、体内に入った栄養素を身体が利用できる形に変えて貯蔵したり、アルコールや老廃物などの有害物質を解毒したりする働きを担っています。また、脂肪の消化を助ける胆汁という消化液を作り出す役割もあります。
胆のうと胆管は、肝臓で作られた胆汁を運んで蓄え、食事のタイミングに合わせて十二指腸へ送り出す役割を持っています。通り道である胆管や、一時的に蓄える袋である胆のうに炎症や結石ができると、強い腹痛や黄疸を引き起こすことがあります。
膵臓は、胃の裏側に位置し、強力な消化液である膵液を分泌して食べ物の消化を助けるとともに、血糖値を調節するインスリンなどのホルモンを血液中に分泌する大切な働きをしています。
見逃しやすい肝胆膵の症状とは?気になる変化
肝臓や膵臓の病気は初期段階で自覚症状が出にくい特徴がありますが、病気が進行するとさまざまな体調の変化が現れます。以下のような症状がある場合は、早めの受診をご検討ください。
- 白目や皮膚が黄色っぽくなる(黄疸)
- 右の肋骨の下あたりや、みぞおちから背中にかけての痛みや違和感
- 油っこいものを食べた後の腹痛や吐き気
- 原因の思い当たらない全身のだるさや食欲不振
- 急激な体重減少や、健康診断での血糖値の急激な悪化
- 尿の色が濃い褐色になったり、便の色が白っぽくなったりする
特に、激しい腹痛や背中の痛み、皮膚の黄疸、発熱が同時に起こる場合は、胆管炎などの急性疾患が疑われるため速やかな医療機関への受診が必要です。
当院で診療を行う主な肝胆膵の病気
当院では、良性の生活習慣病から感染症、腫瘍性の疾患まで、肝臓・胆のう・膵臓に関わる幅広い病気の診断と治療に対応しています。
肝臓に関する主な病気
健康診断で肝機能の数値(AST、ALT、γ-GTPなど)の異常を指摘された場合、脂肪肝やウイルス性肝炎などが疑われます。
食べ過ぎや運動不足、お酒の飲み過ぎなどが原因で肝臓に中性脂肪がたまる状態を脂肪肝と呼びます。放置すると肝機能の低下を招くため、早期の生活改善や治療が大切です。
脂肪肝の詳しい情報については「脂肪肝・MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」のページを参照してください。
B型肝炎やC型肝炎は、肝炎ウイルスに感染することで肝臓に慢性の炎症が続く病気です。現在は内服薬による治療が進歩しており、ウイルスを減らしたり体外から排除したりすることが期待できます。
肝炎ウイルスの検査や治療については「B型肝炎・C型肝炎」のページを参照してください。
慢性的な肝障害が長期間続くと、肝臓癌の発症リスクが高まるため、定期的な経過観察が欠かせません。
肝臓の悪性腫瘍に関する詳細は「肝臓癌」のページを参照してください。
胆のう・胆管に関する主な病気
胆汁の通り道である胆管や胆のうに石ができる胆石症や、それに伴う炎症、腫瘍性の疾患などがあります。
胆石が詰まったり細菌感染が起きたりすると、急激な右腹部痛や高熱を引き起こす胆嚢炎や胆管炎を発症します。重症化を防ぐためにも早期の診断と処置が重要です。
胆のうや胆管の炎症については「胆管炎・胆嚢炎」のページを参照してください。
胆管や胆のうにできる悪性腫瘍の検査や経過観察についてもご相談を受け付けています。
胆道疾患の詳しい内容は「胆道癌(胆のう癌・胆管癌・十二指腸乳頭部癌)・膵臓癌」のページを参照してください。
膵臓に関する主な病気
膵臓の病気は自覚症状に乏しいものが多く、病変の早期発見や定期的な経過観察が極めて大切です。
アルコールの過剰摂取や胆石などが引き金となり、激しいみぞおちの痛みを伴う急性膵炎や、長期間の炎症によって膵臓の機能が徐々に低下していく慢性膵炎があります。
急激な膵臓の痛みや炎症については「急性膵炎」のページを参照してください。
持続する膵臓の障害や生活指導については「慢性膵炎」のページを参照してください。
健康診断などの超音波検査で偶然発見されることが多い膵のう胞(水がたまった袋状の病変)は、定期的に状態を確認していく必要があります。
膵のう胞の経過観察については「膵嚢胞性病変・膵のう胞」のページを参照してください。
消化器全体のがんに関する概要は「消化器内科領域のがん(癌)について」のページも合わせてご確認ください。
健康診断で異常を指摘されたらどうすればよいですか?
健康診断の血液検査で肝機能酵素(AST、ALT、γ-GTP)やアミラーゼ、ビリルビンの数値が高いと言われた場合や、腹部超音波検査で再検査を勧められた場合は、症状がなくても放置せずに消化器内科を受診してください。
肝胆膵の病気は、早期に原因を突き止めて対処することが将来の健康維持につながります。一時的な体調不良や疲労と考えて様子を見てしまうと、知らず知らずのうちに病状が進行してしまうことがあります。
当院では、採血による詳しい血液検査や腹部超音波検査などを組み合わせ、数値の異常がどのような原因によって生じているのかを丁寧に調べます。精密検査や高度な治療が必要と判断された場合は、速やかに連携病院へご紹介いたします。
当院における肝胆膵診療の特徴
栃木県小山市犬塚の当院では、肝胆膵領域の疾患に対して専門性の高い診療を提供しています。
当院の院長は肝臓専門医および消化器病専門医としての資格を有しており、豊富な知識をもとに患者さん一人ひとりの状態に合わせた診療を行っています。
患者さんの利便性に配慮し、時間帯予約制を導入して待ち時間の短縮に努めています。当日予約やご家族によるweb予約・アプリ予約、事前問診にも対応しており、広い駐車場も完備しておりますので、お車でも安心してご来院いただけます。
肝胆膵についてのよくある質問
Q1. 健診で肝臓の数値が高いと言われましたが、自覚症状がなくても受診すべきですか?
A1. 肝臓は自覚症状が出にくい臓器であるため、症状がなくても早めの受診をお勧めします。脂肪肝やウイルス性肝炎など、早期に発見して適切な治療を始めることが肝要です。
Q2. お酒をほとんど飲まないのに脂肪肝になることはありますか?
A2. はい、お酒を飲まない方でも、食べ過ぎや運動不足、糖尿病や肥満などの生活習慣が原因で脂肪肝を発症することがあります。生活習慣の見直しや適切な内服治療についてご相談いただけます。
Q3. 肝胆膵の検査を受ける際、食事の制限は必要ですか?
A3. 血液検査の項目や腹部超音波検査の実施有無によって、事前の絶食が必要となる場合があります。受診前のご案内やご予約時の指示をご確認ください。
院長より
肝臓・胆のう・膵臓は自覚症状が現れにくいため、健診での異常指摘をきっかけに来院される患者さんが多くいらっしゃいます。当院では日本肝臓学会専門医として、患者さんの不安に寄り添い、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。健診結果で気になる点がある方や、お腹の違和感が続く方は、どうぞお気軽にご相談ください。
